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大手企業は、大事な事を三つ忘れている

季節は既に春だというのに、随分と冷え込む日々が続く。
特に今朝は指先がかすかに震えるほどだ。中の灯油を抜き、片付けかけていたはずのストーブが、私のかたわらで仕事を再開し始めている。

キーを打つ手がスムースに動かず、もどかしい。
だが、そんな私以上に、今、祖国は震えている。
不況の吹雪を、その身に受けながら。



1.火種を作る事を忘れた大手企業


祖国が凍えている時は、湿気(しけ)った薪が詰まった巨大な暖炉に、火を点(とも)して暖を取らせてやらねばならない。
“巨大な暖炉”とは“消費市場{*1}”の事であり、その中に詰まる“薪”とは“企業”の事だ。
そして、この企業の景気に火を点ける事ができるのが、“高所得者{*2}”という名の“火種”だ。

高所得者が百万世帯いれば、車は百万世帯分売れる。さすれば、自動車産業の中小企業も懐が暖まり、中から新たな高所得者(火種)が生まれる。
高所得者が百万世帯いれば、高価な家電製品も百万世帯分売れる。さすれば、各産業の中小企業も懐が暖まり、中から新たな高所得者(火種)を生まれる。
高所得者が百万世帯いれば、外食産業も百万回台所を賑わす事ができる。さすれば、外食産業も懐が暖まり、中から新たな高所得者(火種)が生まれる。

暖炉に投入された最初の百万の火種が、湿気り出していた薪に火を点け、その薪が新たな火種を生み出し続け、遂には祖国の震えを止める“好景気”という名の巨大な焔を立ち上げるのである。
,
そして、この火種を量産化できる存在こそが、大手企業だ。
大手企業が大勢の正社員を雇用し、その利益に見合っただけの高給を与えてこそ、高所得者という名の火種は生まれる。
不況の吹雪から祖国を救うには、消費市場という暖炉を点す為の火種が不可欠であり、その火種を作る事は大手企業の義務といえるだろう。
だが、既に十年・・・・いや、それ以上前から、大手企業は火種を作る事を放棄してしまっている。

十年以上に渡った不況時代、大手企業は、人件費がかさむ正社員を減らし続け、低賃金で済む非正社員を増やし続けた。
わずか十年で非正社員の数は十倍に膨れ上がり、その人口は、労働者の四割に当たる1800万人にも達している。

かつては、大手企業の社員は、全員が高所得の正社員だった。大手企業が率先して火種を大量に作り、消費市場の暖炉に投入してくれていた。
だが今や、大手企業の社員の過半数は、派遣社員や契約社員といった低所得者だ。
彼らは、低所得の非正社員を増やす事によって、自ら消費市場に寒風を吹き込ませるようになってしまった。それによって中小企業の懐をも冷やし、中小企業の正社員まで低所得化する原因を作り続けている。

今の日本の暖炉(消費市場)は、火種が投入されなくなった(高所得者が生まれなくなった)為に、中に積み重なった薪(企業)は湿気り、火を点ける事が困難な状況におかれているのだ。


私は今、世界的に有名な大手企業で、非正社員として働いている。
社員の過半数が非正社員であり、ほとんどの者が年収200万(手取り)以下だ。
その貧乏な非正社員たちが、自分の財力ではとうてい買えない高価な家電製品を作り続けている。
そして、会社の幹部たちは、低賃金の労働者をこき使いながら、常に嘆いている。
「最近、物が売れない」・・・・と。
嘆く前に、社内を見渡すべきだろう。
労働者の何割が非正社員か?その非正社員の中に、自社の製品を買える者が何人いるか?
そして、世間を見渡してみるがいい。今の日本に高価な製品を買える高所得者が何人いるか?
非正社員を増やす事で、消費市場に高価な物が買えない低所得者を大量に発生させ、それによって中小企業の懐まで冷やし続けている大手企業の皆様方は、
その消費市場に高価な製品を持ち込んで、一体、誰に買ってもらうつもりなのか?
物が売れなくなったのは、誰のせいだ?

消費市場という暖炉に好景気の焔を立ち上げたくば、経団連に属す全ての大手企業が責任を以って、激減した高所得者を今すぐ百万人増やすべきだ。
火種を十分に増やした上で、祖国には“定額給付金”という名の油を注いでもらい、各自治体には“地域振興券”という名の木炭を入れてもらえば、国内の消費市場から好景気の焔が必ず立ち上がる事だろう。
暖炉に火を点すには火種が不可欠であり、その火種を量産できるのは大手企業だけだという事を忘れないでいただきたい。
(最近、日本の人口減少に備えて外国人労働者を大量に受け入れるべきだと経団連は言っているが、さらに低賃金で済む労働者を増やす事で、消費市場をより一層冷え込ませるつもりなのか?)




2.理不尽なリストラは、不況をさらに促進させる。


一社のみが不況の時は、幾らリストラを行っても問題ではない。
だが、国全体が不況の時は、企業は直ぐにリストラに踏み切るべきではない。
特に、非正社員のように退職金も出ない人たちを大量に切るべきではない。
これは人道上の問題を解いているのではない。
大した貯金が貯まらない低賃金の非正社員が、再就職先の斡旋も退職金も無しで切られた場合、そのまま失業者に転じてしまう可能性が高い為だ。

すなわち、
“非正社員を百万人リストラする”という事は、イコール、“失業者を百万人生み出す”という事だ。
“失業者を百万人生み出す”という事は、イコール、“消費市場から百万世帯分の消費が失われる”という事だ。
“消費市場から百万世帯分の消費が失われる”という事は、イコール、“企業の売り上げが百万世帯分減る”という事だ。
売り上げが落ちる度にリストラを繰り返せば、消費市場から消費者が減り続け、より売り上げが落ちるという悪循環が生じる。
この悪循環を発生させない為にも、企業はリストラをギリギリまで控えるべきである。

それに、“一社のみが不況の時は、幾らリストラを行っても問題ではない”と述べたが、これは祖国に取っては問題がないという意味であり、
リストラを行った企業に取っては、ある問題が発生する事を忘れてはならない。
何しろ、理不尽に大量のリストラを行うという事は、“自社に怨みを持つ人間を大量に生み出す”という事なのだから。
これは“自社の製品を二度と買ってくれず、しかも、自社に対して悪評を流す人が大量に発生する”という意味でもある。
自社のイメージアップを図る為に多額の宣伝費を投じても、これでは台無しではないか。

ましてや、リストラした一人が、何年後かに自分たちが頭を下げて交渉せねばならぬ取引先の企業に再就職し、しかも幹部に出世していたらどうする?
全く有り得ない事とは言い切れまい。


不況の時は安易なリストラに走るよりも、逆に、不況を可能な限り利用すべきだ。
では、どうやって利用すれば良いのか?
それにはまず、現金化が容易で企業側が自由に使える分の内部留保を用い、可能な限り社員の雇用費に回す事だ。
そして、他社がリストラを繰り返す中、自社は正社員に一時金を支給したり、非正社員の一部を正社員化するという逆の事をやってのけ、世間の注目を集めるとよい。
そのやり方に驚き、マスコミが取材に訪れる事だろう。その時に、次のようにいうべきである。

「一時金は、国が景気対策として実施した“定額給付金”に習いました。
痛い出費ですが、消費市場の活性化に少しでも貢献できればと思っています。このような深刻な不況下では、自社の利益にだけ固執する訳には行きませんからね。
それに弊社は、リストラは極力避けるつもりです。
大量にリストラを行えば、失業者が増えて消費が落ち、より不況が加速するだけです。そんな事は分かり切った事です。にも関わらず、○○社などは、自分たち個人の利益を守る為に平然とリストラを繰り返しています。
しかし、弊社は、○○社とは違い、不況を加速させるような真似は致しません。ましてや、下の者に責任を押し付けるなどとい事はありません。
その証拠に、非正社員の一部を正社員に変え、内部留保を使って非正社員の雇用費を三年分確保致しました。
不況を加速させない為にも、下の者を犠牲にしない為にも、可能な限り雇用を守り続けるつもりです」


平時、自社のイメージアップを図るには、何千万もの金を投資して宣伝を繰り返さねばならない。
だが、不況の時は他社と逆の事を少しやるだけで、マスコミが注目し、勝手に好意的に報じてくれる。
社員の雇用を守ってやるだけで、宣伝費無しで自社のイメージアップを成し遂げられるのだ。
(ついでに、上記のセリフの○○社の部分に、ライバル企業の名前を入れれば、さらに良い)
社内でも、社員に対して同じ事を述べ、会社は雇用を守る為に極力努力している事をアピールすべきだ。そして、十分に“雇用を守る為に尽力している”事を内外に宣伝した上で、

「この不況の中、再就職は困難です。
特に、非正社員には年配の方が大勢います。彼らは年齢を理由に、どこに行っても雇用してもらえないんです。今、仕事を失えば、彼らは野たれ死ぬしかありません
人の命が関わっているからこそ、弊社は雇用を守る為に全力を挙げているんです。
しかし、内部留保を用いても、非正社員の雇用を守れるのは三年が手一杯です。
弊社が危機に陥り、全員失業の倒産か、リストラかの選択肢を迫られた時、弊社の力だけでは彼らを守り続ける事はできません。
どうか、皆様もご協力ください。
あと、○○台、当社の製品が売れれば、彼らの雇用と家族と命を守る事ができます。
さらに○○台売れれば、行き場の無い非正社員を正社員化する事もできるんです。
○○台売り上げる為にも、どうか、皆様も協力してください」


とドサクサに紛れて、自社の製品を買うように宣伝すべきだ。
非正社員に対しても
「あと○○台売れれば、皆様をずっと雇用し続ける事ができる」
「あと○○台売れれば、本来は支給されないボーナスを給付する事もできる」
「あと○○台売れれば、何人か正社員にする事ができる」
と喧伝し、
「だから製品を買う時は、どうか自社の製品を買うように心掛けて下さい。友人・身内にも呼びかけて下さい。皆様もネットなどで自社の宣伝に協力してください」
と協力をうながすべきだ。
平時に、こんな事を社員に奨励すれば横暴だといわれよう。だが、不況の時は、横暴ではなく“雇用を守る為の団結”だと思わせる事ができる。

不況の時は、その不況を可能な限り、自社の宣伝と社員の士気のアップに利用すべきだ。
その上で、リストラする時は、非正社員にも本来は支給されないはずの退職金をわずかばかり出して喜ばせ、就職の助けになるよう推薦状を書き、適当に再就職先を紹介してやり、最後まで尽力したかのように見せるべきだ。
リストラするなら、怨みを残すよりも、逆に恩を売った方が良い。
怨みを残してリストラされた人は、二度と自社の製品を買ってはくれまい。だが、恩を受けてリストラされた人は、その事に感謝し、買い物の時は同じ製品でも他社よりも自社の製品を買ってくれる可能性がある。
理不尽なリストラは、消費市場に取っても自社に取ってもマイナスにしかならぬという事を、どうか忘れないで頂きたい。




3.十年後、二十年後、誰が会社を運営するのか?


<腹が立つのはボクより給料が高い“バブル組”……氷河期世代にはびこる不満>
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0903/06/news056.html#/makoto/articles/0903/06/news056.html

>都内の中堅建材メーカーで営業職に就く平野大介さん(36)=仮名=には、「部下」はおろか、後輩社員すら1人もいない。「就職氷河期」といわれた平成7(1995)年入社。下の世代はさらに厳しい「超氷河期」とも呼ばれ、新卒採用を抑えたためだ。
(中略)
>8年入社で、大手食品メーカーの自販機営業を担当する三浦雅之さん(38)=仮名=も同じ部署の後輩は2人だけ。自身の同期は18人だが、40代以上は各年次に100人ずつほどいるという。
<Business Mediaの記事より、一部転載>


私が、上記の記事を転載したのは、大手企業では氷河期世代(大卒ならば、20代半ばから30代後半辺り)の社員が不足しているという話に注目した為だ。
1993~2005年に掛けての不況時代、大手企業の多くは人件費削減の為、正社員をほとんど採らなかった。その為、1993~2005年卒の社員が、大手企業には非常に少ないのである。
私はネット上で、「うちの会社には同年代が全然いない」「もう勤続十年になるのに、後輩がいないから平のままだ」という就職氷河期に大手に就職した人々の言葉を何度も目撃している。
私自身、色んな大手企業で派遣として働いてきたが、どこの大手企業も同年代の正社員が極端に少なかった。大手だけでなく、大手寄りの中小企業も同じだった。{*3}


今、大手企業では、バブル世代に当たる40代の社員が下級管理職と中堅管理職を務めている。
後、十年経てば、現在の30代の社員が下級管理職と中堅管理職を務める番になる。だが、その30代の社員が不足しているのである。
十年後、必ず、多くの大手企業は“下級・中級管理職を任せるべき年齢とキャリアを持つ社員が、社内にほとんどいない”という問題に直面する事になる。
その時は、どうするつもりなのか?大量にいるバブル世代に、上・中・下級管理職を全て任せるつもりか?
ならば、さらに十年経ち、大量にいるバブル世代が定年を迎えてしまえばどうする?
一体、誰に会社の運営を任せるのか?

2007年、好景気を迎えた時、私は非正社員の正社員化が行われると思っていた。
非正社員の中には、三十代が多い上に、違法に何年間も非正規のまま雇用されているお陰で、会社の仕事をすっかり覚えている者も多い。
ゆえに、彼らの中から“不足している30代の社員”を補充するものだと思っていた。

ところが、多くの企業は非正社員を正社員化しなかった。非正社員の存在を無視し、新卒だけを大量に採用したのである。
40代のバブル世代の後を引き継ぐ世代が、会社の中にいないという問題を放置したのだ。
いや、放置したというよりも、多くの企業がこの問題に気づいてすらいなかった。

私は、大手企業の皆様に問う。
後、十年、二十年経った時、一体、どうやって会社を運営するつもりなのか?
今すぐ、自社の世代人口を調査し、この問題を自覚して頂きたい。
経団連は、「将来の人手不足に備え、外国人労働者を大量に受け入れるべき」と主張しているが、その前に解決すべき問題がある事を忘れないで頂きたいものだ。




< 注釈 >


{*1}消費市場=売り買いが行われている場所や状況。物が良く売れて、企業が利益を得る事を“消費市場が拡大する”などといいます。
{*2}高所得者=分かり易くいうと、金持ちの事です。逆に貧乏な人が低所得者です。
{*3}では、氷河期世代はどこにいるのか?実は、不安定な零細企業や弱小の中小企業に集中してるんですね。私の同期の連中もほとんどが零細で働いている上に、正規・非正規の仕事を転々とする人生を送っている人もかなりいます。





健やか総本舗亀山堂



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