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就職氷河期の心得<前編>

2005年、日本国土をおおっていた不況の氷は、遂に音を立てて亀裂を生じた。
だが、そのわずか四年後には、東から押し寄せた金融危機の吹雪により、その亀裂の上に、再び厚い氷の膜を張り始めた。今年の新卒諸君らは、第二期・就職氷河期を迎える事となる。

巷では、第一期に比べれば増しだとの意見が主流だが・・・・・私は、楽観視していない。
なぜならば、日本の現在の土壌が、当時とは余りにも異なる為だ。

バブル崩壊時は、大手・中堅に勤める高所得者が多かった。
企業はリストラをためらい、リストラする際は、退職金を割り増しするのが普通だった。
ゆえに、“当時は、直ぐには消費は落ち込まなかった”のである。
また、定年退職する社員が出る度に、正社員を補充する必要があった為、大手・中堅の会社でも雇用があった。

だが、今回は違う。
1999年に派遣制度が解禁されて以来、現在、大手・中堅の社員の過半数が“低所得”の非正社員で占められている。
(現在の非正社員人口は、労働者の四割に当たる1800万人)
正社員でも、年配社員の雇用を守る為に、今の若年層は給与を低く抑えられている。
さらに、就職氷河期に企業の多くが求人を停止・縮小していた為、就職氷河期世代(20代半ば~30代半ば)の多くが低所得の中小企業や零細企業に勤めている。
非正規で勤めている者も、男性だけでも10%を超える。
(2008年の「ひょうご青年実行委」の調査では、兵庫県の若年層の三分の一が非正社員であり、年収は200万以下。正社員でも、300万以下が34%、200万以下が34%、100万以下が10%を占めていた)
しかも、非正規の労働者を中心に大量にリストラが行われた上に、その多くは退職金も出なかった。

これがどういう意味かお分かりだろうか?
そう・・・・バブル崩壊の時、日本は暖かい土壌の上に氷河期を迎えた。だが、今回の二度目の氷河期を迎える日本の土壌は、初めから冷え切っているのである。

これらの事を考えれば、バブル崩壊時よりも速い速度で、消費が落ち込み、不況が加速する可能性が考えられる。
そうなれば、多くの企業が求人を見合わせる事だろう。
(それに今は、正社員が定年退職しても代わりに派遣社員を入れれば良い為、定年退職に伴う社員の需要も発生しない)

今回は、氷河期がどのようなものであるか知らない学生の皆様の為に、私の方から簡単な説明と助言をさせていただく。


<2000~2005年度卒の四大生の就職率(超氷河期)>

平成12年 男性55.0%、女性57.1%
平成13年 男性55.9%、女性59.6%
平成14年 男性54.9%、女性60.0%
平成15年 男性52.6%、女性58.8%
平成16年 男性53.1%、女性59.7%
平成17年 男性56.6%、女性64.1%



[1.希望企業の入り口が凍りに閉ざされる]

あなたが大手A社に入る事を夢見ていたとしよう。
入る為に、子供の頃から一生懸命勉強し、東大を主席で卒業したとする。
だが、それほど努力しても、氷河期は希望企業に入れない現象が起きる。
なぜならば、企業側が求人自体停止してしまう為だ。
しかも、大手・中堅企業の大半は新卒しか採用しない為、あなたが新卒の時に求人を停止していれば、もはや入る事は不可能である。
あなたが東大出身で主席だからと言って、新卒主義の日本では、既卒者を特別に採用してくれるなどという事はない。
氷河期は、こういう現象が起きる為、その点は覚悟して頂きたい。


[2.氷河期の求人倍率は蜃気楼]

氷河期は、就職市場の土壌が急速に冷え込む為、地表の求人倍率には蜃気楼が発生する。
倍率1.0倍とあれば、実際は倍率0.9以下と見た方が良い。
これは“形だけの求人”を出す企業が増える為だ。
不況下、企業側は社員など増やしたくなく、人手が足りなければ派遣を入れれば良いのである。
しかし、「もしかすると、新卒の中にすこぶる優秀な人材がいるかも知れない」為、念の為に求人を出す。そして、優秀な人材がいなければ、一人も採用せずに済ませる。
その為、求人倍率が高い業種を選んでも、就職口に有り付けないという現象が生じる。
第一期・氷河期の時、一次、二次、三次試験までやっておきながら、誰も採用せずに済ませる企業がどれほど多かった事だろうか?
この形だけの求人に騙され、時間と労力を無駄にしてしまう学生がどれほど多かった事だろうか?

氷河期は、“若干名募集”という曖昧な表現を用いる企業が増える。これは“優秀な人材がいた場合、何人か採用する”という意味であり、“確実に何人か採用する”という意味ではない。
氷河期が酷くなればなるほど、“若干名募集”の企業は、一人も採用せずに済ませるケースが増える。
時間と労力と交通費を無駄にしたくない方は、採用人数が明快な企業や新興企業を多めに回られた方が良いかも知れない。
(新興企業は本気で人手を欲している為、採用者ゼロというケースはほとんど生じない)


[3.氷河期も酷くなると、学歴の防寒も役立たず]

好景気の時は、求人側は少しでも多くの人手を欲する為、審査は甘くなる。
高学歴ならば挨拶すらできずとも一発採用され、低学歴でも簡単に大手に入る事ができる。
だが、不況の時はこれが逆になる。
一次試験で済ませていた企業が三次試験まで用意し、学歴以外の点も細かくチェックする。
コミュニケーション能力、ネクタイの歪み、履歴書に誤字・・・・。
私の時などは、うっかり、“高等学校”の部分を“高校”と書いていただけで、履歴書の不備を理由に試験を受ける前に帰らされたものだ。
氷河期は、たとえ高学歴でも合っても、こういった些細な点で落とされてしまう。
氷河期も酷くなると“超”が付き始めるが、これが複数付き始めると、学歴は全く役に立たなくなる。
超氷河期は、学歴だけでは吹雪を防ぎ切れない事を忘れてはならない。


[4.学力のソリを飲み込むクレパスが生じる]

氷河期は、学力さえあれば、筆記試験の難所を渡り切れるとは限らない。
私が、某企業の夏採用に行った時の事だ。
試験会場は冷房が停止しており、学生たちはみな汗だくの状態だった。
試験開始30前、会場に顔を出した試験官が告げた。
「今、冷房が壊れています。皆さん、遠慮なく上着を脱いでくださって結構です」
上着を脱ごうか迷っていた学生たちは、その言葉に安堵して脱ぎ始めた。私も試験に集中する為に、上着を脱ぎ、少しネクタイも緩めた。
30分後、会場にやってきた試験官は、試験用紙を配る前に告げたものだ。
「はい、試験会場を移します。上着を脱がなかった人だけ来て下さい。他の方は、忍耐がない為、どうぞお帰り下さい」
これは本当の話だ。
氷河期は、わずかな求人に対して、大量に求職者が訪れる。企業側は、こういった様々な手口を用いて、大量の学生たちを振るいに掛けるのである。
第一期・氷河期の時は、こういった企業が少なからずあった。
中には、「漫画のキャラクター、○○に付いて批評せよ」など個性的な試験問題を出す企業もあらわれ、話題になる事もあった。
これらは少数派だが、こういった企業に当たってしまうと、学力は全く役に立たない。
氷河期は、学歴や学力よりも“運”の方が大事になる。
運をつかむには、数をこなす事も重要である。


[5.氷河期の求人は、数だけでなく質も落ちる]

氷河期は、多くの企業が求人を停止・縮小するが、逆にもともと人が寄り付かないような企業が「今なら新卒を獲得できる」と台頭し始める。
私が新卒だった時、学生の半数が就職できなかったが、就職できた者でも私の周囲には大手や中堅の企業に入れた者はほとんどいなかった。
知り合いに中堅企業に入れた者が一人いたが、初任給を通常よりも低く抑えられていた上に、交通費も支給されなかった。
就職氷河期は、求人にブラックな企業が増える為、就職しても後に離職を余儀なくされるケースが多い。
ゆえに、就職氷河期の学生は、“就職”だけでなく、“就職後”の事も考えておいた方が良いだろう。
(就職後、資格を習得し、第二新卒の内に増しな企業に転職するという意味だ)


[6.越せなかった者は、卒業後に凍死する]

好景気の時は、内定を出しても学生は大手や中堅企業に行ってしまう為、人手を確保し損ねた中小企業がハローワークにも若者を募集する。
ゆえに、好景気の時は若くさえあれば、卒業後も就職が容易となる。
だが、不況時代はそういう事はありえない。
氷河期は、求人数に対して求職者数が上回る為、就職自体が困難になる。

<求職者(就職希望者)数 / 求人(雇用口)数>
平成12年 求職者数 2,506,804 / 求人数 1,472,596
平成13年 求職者数 2,597,580 / 求人数 1,534,182
平成14年 求職者数 2,768,427 / 求人数 1,486,484
平成15年 求職者数 2,596,839 / 求人数 1,670,065
平成16年 求職者数 2,368,771 / 求人数 1,956,329
平成17年 求職者数 2,271,675 / 求人数 2,163,164

中小企業は即戦力になる得る人材を欲する為、職歴のある者が優遇される。
職歴のない新人が就職するには、不安定な零細企業{*1}や企業の“失業率の高い部門”{*2}を選ぶほかない。
だが、地域によっては、それすら有り付けずフリーターになる事を余儀なくされてしまう。

私は卒業後、町工場を中心に延々と零細企業を回り、高卒や中年のオバちゃんらに混ざって面接を受けたが、それでも就職口に有り付けなかった。
(初任給を高卒よりも高く設定せねばならない大卒は、却って嫌われる事が多かった)

就職口がないからと非正規で働いても、職歴としてカウントしてもらえないばかりか、マイナス評価を受けてしまう事が多い。
(当時はフリーターになる以外に選択肢がない者が多かったのだが、なぜか雇用側は「フリーター=就職を拒否した怠け者」という正反対の認識を持っている場合が圧倒的に多かった)
新卒で就職出来なかった方は、最初の壁である25歳を迎える前に、資格を取られる事を強く薦めたい。




< 注釈 >

{*1}当ブログでいう所の“零細企業”とは、中小企業基本法の定義で“小規模企業(社員数5~20人)”に該当する所の他、新卒の就職市場とは無縁で、しかも離職率が高い“弱小の中小企業”も指している。

{*2}失業率の高い部門=具体的にいうと、全国にチェーン展開し、頻繁に支店の進出と撤退を繰り返す企業は、本社勤めの社員は新卒を起用し、支店が撤退する度に失業を余儀なくされる支店長や店員はハローワークで募集している。

< 補足 >

このブログで述べた話は、あくまで十年前の超氷河期の状況である。
現在は、雇用対策法が改正された陰で、大手でも中途の未経験者に対して門戸を開く所が増えている(まだまだ狭い枠だが)。中途採用の年齢制限も、多くの企業で撤廃されている(不文化されただけであり、相変わらず若い者が優先されるが)。
また、第一期・就職氷河期は国も経団連も我々を見殺しにしたが、今回は様々な雇用対策を準備している為、第二期・氷河期世代の方々は新卒の時に就職ずとも、我々の時よりはチャンスを得やすいかも知れない。

後編へ続く




ラブアゲイン



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まもふぁ様へ

参考サイトになさるのは自由ですが、
小学生にバカにされたからと、小学校に抗議文を送ったら、不審者だと誤解されてしまいますよ。

その小学生には、悲しい顔をして見せながら、ちゃんと事情を説明すべきですね。
自分が学校を卒業した年は不況で半数が就職出来なかったことや不況のせいで仕事が見つからないことを。泣いてみせるのもよろしい。
で、今は資格を取る為に勉強してるとか言っておきなさい。
怒鳴ったり抗議したら、変な人だと誤解されるだけです。

つーか、その小学生……うざいガキですな……。


しばらくはヘッドホンを耳に当てて音楽観賞にでも浸りながら、図書館で借りてきた小説でも読みふけりながら、気晴らしをなさって下さい。辛い時はこれが一番です。

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