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第一回・フリーターの経営講座・製造業編<前編>

考古学史上、中国大陸最古の王朝とされる殷。
紀元前1046年、殷の最後の帝王・紂王は、周の武王の軍勢と戦火を交えた。
両軍が激突したのは、殷の首都・朝歌に近い牧野。
殷の軍勢は実に70万。対し、殷の暴政に堪えかねて馳せ参じた諸侯を率いても、周の軍勢は5万にも満たなかった。
開戦前から、既に殷軍が圧倒していた。
だが歴史は、紀元前1046年を周王が敗れた年として記録する事はなかった。
朝歌の城門をくぐったのは凱旋する殷軍ではなく、咆哮を上げる周軍だった。数で劣るはずの周軍が、みごと殷軍を打ち破ったのだ。
朝歌の宮殿から紂王自らが放った炎が上がった時、殷は、その600年の歴史を宮殿の灰と共に埋もれさせた。

なぜ、70万もの大軍を擁した殷軍は、劣勢な周軍に敗れたのか?
しかし、その事を論じる前に、約束していた講義の第一回目を開かせて頂くとしよう。


第一回・フリーターの経営講座・製造業編<前編>


大陸で殷が滅びた頃、まだ文字も無かった偏狭の島国は、二千年の歳月を掛けて今や大陸をしのぎ、比べるべくもない繁栄を享受している。
だが、近年、その膨大な人員と人件費の安さが好評な大陸は、その島国の四海を揺るがすほどの鎚の音を響かせていた。
わずかな糧だけで、大量の製品を量産し続ける中華人民共和国。それに負けじと、歯を食いしばりながら、その小さな体に見合わぬ産出を続ける日本。
製造業を営む日本の企業や下請け業者は、今、中国に負けじと生産量を上げる事に躍起になっている。
そんな中を派遣の身で渡り歩いてきた私は、今まで、五通りの生産体制を見てきた。

労働基準法を無視し、ひたすら労働者に長時間労働を強いる事で、生産量を上げようとする『超・長時間体制』。
労働基準法で許される限界の時間まで働かせ、さらに一部に夜勤組を設ける事で効率を上げようとする『長時間体制』。
二交代で、労働基準法を無視し、労働者に毎日4時間の残業を強いる事で、ほぼ24時間生産を続ける『二交代制』。
三交代で、常に24時間生産を続ける『三交代制』。
四交代で、同じく完全な24時間生産を続ける『四交代制』。

上記の『超・長時間制』『二交代制』は違法だが、労働基準法を無視する会社など、少しも珍しくない。
私が経験した中で、一番多かったのは合法ギリギリまで働かせる『長時間制』を取る会社だ。これが最も一般的だろう。
だが、最も効率が良かったのは、この一般的な『長時間制』でも違法な『超・長時間制』でもなく、『三交代制』と『四交代制』だった。
この生産体制の効率の良さは、他とは比べ物にならなかった。
そして、『三交代制』と『四交代制』では、『四交代制』の方がさらに上回っていた。

24時間生産を続ける事が可能である以上、『三交代制』と『四交代制』は効率が良くて当たり前だ。
ならば、同じ24時間稼動でありながら、なぜ『四交代制』の方が『三交代制』よりも勝るのか?
その理由は三つあった。


<第一の理由: 四交代制は、本当の意味で24時間稼動できる>

『三交代制』といっても、完全に24時間生産を続けている訳ではない。
機械はフル稼働しようとも、労働者には休息が必要だ。
朝・昼・夜の班ごとに、食事を取る為の休憩の他、小休止を与えてやらねばならない。
仮に、休憩が1時間、小休止が10分(一時間休憩の前後に二回与えられるとすれば、計20分)与えられるとしよう。
合計すれば、一班に付き、1時間20分の休憩時間が存在する事になる。
朝・昼・夜の三班では、合わせて4時間だ。
言うまでも無く、休憩時間とはイコール“生産を行わない時間”だ。
そう。『三交代制』は、実際には24時間フル稼働している訳ではなく、生産が行われない時間が一日数時間ずつ生じているのだ。
しかも、この場合では、一日四時間も“生産を行わない時間”が生じる事になる。

これに対し『四交代制』は、長い休憩時間を必要としない。何しろ四つの班で、交代で六時間労働を行うだけなのだから。食事は、勤務時間の前後に取らせれば良く、小休止を二回与えてやるだけで十分だ。
10分の小休止を二回与えてやるとすれば、一班に付き、20分の休憩時間が存在する事になる。
四つの班で、合わせて1時間20分だ。
そう。『四交代制』では、“生産を行わない時間”がはるかに少なくて済むのだ。

生産が行われない時間が、一日4時間生じる『三交代制』。
生産が行われない時間が、一日1時間20分生じる『四交代制』。
日が経つ毎に、この差は大きくなって行く。
週五日制だとすれば、一週間で20時間と7時間の違いに。一ヶ月で、80時間と28時間の違いに。一年で960時間と336時間の違いに。日数で計算すれば、年に40日と14日もの違いが生じる。
実に、『三交代制』と『四交代制』では、生産日数に一ヶ月近い開きが生じる事になる。
それに『四交代制』では、一斑内で小休止を交代で取らせれば、休憩によって生じる生産の停止を完全に無くす事もできる。
『四交代制』は、本当の意味で24時間生産が可能なのだ。
これが『三交代制』よりも『四交代制』が勝る最大の理由だ。


ちなみに、
「短時間労働で済む四交代制なら、小休止すらいらないだろう」
「小休止も節約すれば、もっと効率が上がる」
と考えられる人もいるだろう。しかし、小休止は必ず必要である。
小休止は、体を休ませる為だけに存在するのではない。仕事と休憩時間のケジメを付ける為にも必要な時間だ。
小休止を設ければ、労働者は便意をもよおしても、体調不良で薬の服用が必要となっても、なるべく休憩時間に済ませようとする習慣が生まれる。
しかし、小休止を設けなければ、労働者は好き勝手にトイレ休憩を取り出し、大した事もないのに体調不良を理由に薬の服用を言い出し、その度に作業が中断してしまう事になる。
中には、トイレと称して、そのまま勝手に小休止を作ってしまう者も出始める。
特に、年配で熟練の労働者は、「当然の権利だ」とばかりに仕事が一段落する度に堂々と休憩を作ってしまう事も多い。相手が年配で熟練者であるだけに、下級管理職らも注意しづらく黙認してしまいガチだ。
休憩時間と労働時間のケジメを付ける為にも、小休止は必要である。
それに誰しも家族や友人に何か問題が発生した時は、仕事に集中できぬものだ。そういう時に小休止があれば、その時間を利用して家族や友人らと連絡を取り、心配事を解消しておく事もできる。
だが、小休止が無くば、それすらも適わず、一日中仕事に集中できない状態が続いてしまう事になる。このような精神状態で仕事をされては、ミスの元だ。
そして何よりも、小休止無しでは、労働者の間に必ず不満感が育つ。不満感を抱いたままでは、人は勤勉に働くことはできない。
休憩と労働時間のケジメを付け、労働者に心配事と不満感を解消する時間を与えてやる為の時間が“小休止”なのだ。


<第二の理由: 四交代制は、欠員を直ぐに補充できる>

労働者とて人である。
病気や事故で出勤できない時もある。
労働者が一人欠勤すれば、その分、作業効率は落ちてしまう。
ところが『四交代制』は、この欠勤によって効率が落ちることは余りない。なぜならば、欠員を簡単に補充できるからだ。
方法は簡単だ。前の班から残業(三時間)をしてくれる者を一人、後の班から早出(三時間)してくれる者を一人募れば良い。
欠員によって生じた六時間を、前後の班の者が三時間ずつ分担する事で、簡単に補えるのだ。
『四交代制』は、もともと一人に付き六時間労働だ。三時間の残業や早出を行っても、一日九時間労働になるだけに過ぎない。大した負担にならない為、必ず応じてくれる者はいる。
むろん、九時間労働に過ぎないといっても、その間、飲まず食わずで働かせる訳にはいかない為、半時間だけでも休憩を確保してやる必要はある。だが、残業と早出に応じてくれる者が二名以上いれば、それすらも補える。
すなわち、一人に一時間だけ残業をさせ、その間に休憩を取ったもう一人が残り二時間の残業をすれば良い。早出の場合は、その逆の順で。

これに対し『三交代制』では、欠員によって生じる労働時間は八時間にも及ぶ。
これを埋めるには、前の班の者に四時間もの残業を呼びかけ、後の班の者に四時間もの早出を依頼せねばならない。
『三交代制』は、もともと一人八時間労働だ。これに四時間もの早出や残業を加えれば、十二時間労働になってしまう。
長時間労働を嫌い、誰も応じてくれない事がある。
この欠員を容易に補充できるという点も、『四交代制』の強みだなのだ。


<第三の理由: ミスを最低限度に抑える事ができる>

新人で社会経験の浅い者は、仕事で分からない事があっても、なかなか上司や先輩に質問しようとはしない。
社会経験の深い者でも、上司が好かない人だと、やはり進んでは質問をしたがらない。
そして、分からない事を分からないまま仕事を進め、気付かぬまま、延々とミスを続けてしまう事がある。
また、熟練者でも体調が悪く集中力に欠ける時は、ミスが続発してしまいガチだ。
こいうった場合、『三交代制』では、次の交代まで八時間ものあいだ、ミスが発生し続ける事になってしまう。
だが、『四交代制』であれば、最悪六時間で済む。
ミスが継続する時間を最低限度に抑えれるという点でも、『四交代制』は勝っているのだ。


以上が、『四交代制』が最も効率が良い生産体制である理由だ。
では、逆に最も効率が悪い生産体制とは、どんな体制だろうか?

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