DATE: CATEGORY:社会問題
以下の記事は、後ほどコラムで参考資料として使用する為、一旦、こちらに転載・保管しておく。
わざわざ転載するのは、yahoo!ニュースの記事は、直ぐにweb上から消えてしまう為である。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071227-00000001-sh_mon-bus_all

貧困スパイラルと下流食いビジネスに覆われた日本

■さまざまな理由で搾取される派遣社員

「お母さん、貧乏ってお金かかるんだね」
ある日、派遣社員を夫に持つ母親に、小学生の息子が言った。夫のAさんは、派遣会社に登録して地方都市から東京に出稼ぎに出ていて、毎日日雇いで働きながら仕送りしている。地方にいても、まったく仕事がないからだ。
Aさんの場合、登録した派遣会社から携帯にメールが入り、翌日の仕事が決まるという「携帯派遣」システム。登録時の仕事内容には、いろいろな職種が掲載されているが、実際にあるのは重労働ばかり。それも、極めて劣悪な条件の日雇い労働である。集合時間は、作業開始の1時間前で、10時間労働もザラ。時給は1000円とそれなりの金額だが、集合前と休み時間の1時間は支給外になる。交通費は、一定金額以上は支払われず、自腹を切ることになる。
毎日の取り決めとして、出発時間・集合時間・現場到着時間の3つに遅刻ラインが設定されている。もし1分でも遅刻でもしたら、ペナルティとして500円・500円・1000円を、給与から天引きされるシステムになっている。そのうえ、グループ管理制度がとられていて、自分と同じチームの人間が遅れたら、全員が罰金を取られることになる。派遣先紹介の担当者からは、「指定の作業服やヘルメットを購入すれば給与も上がるし、仕事も増える」 と、甘い言葉で勧誘される。
このように、至るところに、派遣労働者からの搾取の罠が仕掛けられているのだ。Aさんの場合、さらにレストボックスに滞在していて、1泊1500円かかる。レストボックスとは、2段ベッドが並ぶ相部屋で、トイレ、キッチン、シャワーがついている簡易宿泊所。昔は「ドヤ」とか「飯場」と呼ばれた場所である。
こうしてみると、1日働いても6500円しか残らず、そこから交通費の自己負担分や食事代を引けば、5000円前後になってしまう。Aさんの場合、ここから仕送りをするのだが、せいぜい12万円前後がいいところ。これでは、地方に残してきた妻と子は、生活保護一歩手前のギリギリの暮らしなのだ。


■貧困ビジネス=下流食いビジネス花盛り

そんな状況では、急病とか事故とか何かトラブルがあると、医者にかかる費用どころか、生活費も滞ってしまうので、Aさんはどうするのだろうか?
「そんなときには、派遣会社系列のローン会社にお金を借ります」 ということだが、人材派遣業務だけではまだ足りずに、ローンで借金漬けにして、暴利をむさぼろうという魂胆が見え隠れしている。
現在、身分や収入が不安定な派遣労働者やフリーターなど非正規労働者たちから搾取しようとして、いろいろな “貧困”ビジネスがはびこっているのだ。特に、消費者金融などのローン会社やパチンコなどの娯楽会社も、顧客を「低収入の若年男性」にシフトしている。
彼らの不安定な収入では、サラ金に頼らざるを得ないからだ。しかし一度借りると、奈落の底に堕ちる。例えば、29。2%(サラ金の上限金利)で50万円借りると毎月利息を払っていても、3年後には2倍になっている計算だ。サラ金にとっては、彼らは永遠に金利を払い続ける「上客」ということになる。
また身分が不安定で保証人がいないと、部屋を借りたくても借りられないので、保証人紹介なるビジネスも登場する。賃貸契約時に保証人になって、借り主が滞納した際に家賃を保証するシステムだ。その場合、ペナルティとして、借り主本人に、金利を40%上乗せして請求する。40%といえば、以前の出資法の上限であり、現在は違法行為なので刑事罰に相当する犯罪である。
これで、巻頭の子どもの言った意味がおわかりだろう。貧乏になればなるほどお金がかかる、まさに、これが貧困ビジネス=下流食いビジネスなのである。


■下流食いの “真っ当な”言い分

「レストボックスが快適だったら、どうなりますか?世の中レストボックスだらけ、つまりフリーターや派遣社員だらけになってしまいますよ。ですから、ある程度劣悪な条件・環境で我慢してもらうのです。いつかこの場所から抜け出してやる、という気持ちを持ってもらうためです。レストボックスのひどさを非難するばかりでなく、実はこんな面もあるということを理解して欲しいですね」
と語るのは、自らフリーターでレストボックス生活を体験して一念発起、いまや大手人材派遣業などを手がける、経営者M氏である。
1円でも多く利益を出すために、劣悪な条件で働かせておきながら、開き直るような言い分は、どう見ても真っ当だとは思えない。規制緩和で人材派遣会社が多くできたが、法律違反も日常茶飯事に行われている。新聞ネタにはなっただけでも、グッドウィルやフルキャストなど大手派遣会社があげられるが、派遣先で死亡事故が起きていることもあるらしい。
毎日、違う派遣先に行って初心者として作業に加わるのだから、このストレスは計り知れない。まわりの人間からは、いつも「こいつは誰だ」という顔で見られるのだ。
大手のフルキャストの派遣スタッフの間では、やってはいけない2大仕事というのがある。それは、A引越センターとK総業(大手物流会社)。前者の場合、集合場所に行くなり、「勝手なことをするな!」「お客さんとしゃべるな」と怒鳴られて、荷物を少しぶつけただけで、弁償されられるという。
後者のほうは、「海沿いの冷凍庫の中で、南米産の鶏肉を延々と積み上げる作業」で、手足が凍って、凍傷一歩手前、「死ぬ思い」をする地獄の作業なのだ。


■人間の商品化=奴隷売買制度の復活か!

では、そんな彼らを使う側、つまり企業側の状況はどうなっているのだろうか。
「無料お試しキャンペーン実施中、1週間無料、1ヵ月35%オフ、3ヵ月13%オフ」
こんなチラシを片手に、営業マンがセールスをかける。この商品は化粧品ではない、コピーのリースでもない、人間だ。つまり、派遣労働者を商品としてセールスして、いかに競合他社との競争に勝つかを目指しているのである。
多くの場合、派遣先が人材派遣会社から推薦された派遣候補者を直接面接して、各競合会社と競わせて、いちばん安いところに決定される。人件費のダンピング合戦が広がり、派遣される当事者たちは当初派遣会社と契約した金額から、どんどん下げられる。また、下げなければ、仕事にありつけないという弱い立場になっている。
労働時間や勤務形態の一方的な変更も迫られれば、それに従うしかない。昼間勤務から深夜夜間勤務への変更を同一賃金で迫られたり、人手不足だといって事務作業から組み立て作業などへの変換を強制されたりする。


■官公庁が推進する競争入札の現場では?

競争に勝ち抜くために、とことんダンピングするというのは、民間企業だけではなく、官公庁や地方公共団体の現場でも起きている。総務省のデータ入力業務に従事していた女性は、競争入札で仕事は維持できたものの、時給が400円以上ダウンさせられた。
国や地方公共団体では、これまでコスト削減目的で活用してきた非常勤職員や臨時職員をやめて、人材派遣に切り替えている。派遣会社同士で料金を競わせて、1円でも安い金額を提示した業者と契約をする競争入札制度が適用されているのだ。
労働者の待遇や人権などを守るべき国や公共団体、自らが、労働者の商品化の先頭を走っているのである。その結果、入札現場では恐ろしいことが起きている。
数年前に、東京都が「電子都庁化」の一環として導入する文書統合システムを、日立製作所が、なんと750円で入札したことがあった。その際の他の入札参加企業の金額は次の通りだが、さすがに公正取引委員会からも「不当廉売」の疑いがあるとして警告されて、同社は辞退することになった。

・日立製作所と他の入札参加企業の金額
東芝1億3200万円
NEC9800万円
NTTデータ1000万円
日本ユニシス497万円
日本IBM155万円
富士通82万円
日立製作所750円

日立製作所の750円も異常だが、これだけ金額にバラツキがあるということは、それだけ単価以上に旨みのある仕事だということなのか。こうした無茶苦茶な不当廉売が、労働者の雇用条件に直接影響するのである。末端では、これまでの賃金基準が大きく値崩れして、最低賃金どころか生活保護一歩手前の状況に陥ってしまった。


■日本の労働現場は現代の地獄絵図に

一方、本来なら民間の労働条件をリードするべき、大手企業の状況はどうなっているのだろうか?現在、日本の外貨獲得高は50兆円あまりだが、トヨタ、キャノン、ソニーなど大手10社で3分の1、上位30社で半分を稼いでいる。その利益の8割は、実は海外市場への輸出と部品供給で占めており、日本の国内市場の利益は2割にすぎないのだ。
ということは、「海外第一、国内は二の次」で、国内市場がいくら貧しくても大儲けしているのが、トヨタをはじめとする大手企業の現状だ。
そのうえ、海外で儲けた分を国内の優遇税制で納税すると、法人税は売上高のたったの1%。なぜかというと、通常の法人税は40%だが、実際にはいろいろの特例措置があり、ほとんどゼロに近いような税率になってしまうのである。
恐るべき大企業優遇措置。その大企業の現場では、「国際競争力の維持」という名目で、人間破壊に近いような派遣労働や偽装労働がまかり通っている。
青森や秋田など失業率の高い県から人を集めて、トヨタの本拠地、愛知県へと送り込んでいくシステムができあがっている。この役目を担うのが、人材派遣業者で、いうなれば現代版“奴隷船”ともいうべきか。
企業としては、固定費としての人件費から、経費としての外注加工費に転換させて、利益をとことん追求する。そのしわ寄せが、労働者個人にまわされているということだ。


■まさに21世紀型帝国主義が確立される

経団連会長の御手洗冨士夫氏(キャノン会長)は、さらに安く人材の確保を目指して、東南アジアをはじめとする外国人労働者の導入を推進しようとしている。これが採用されれば、
経営者正規社員契約社員パート社員派遣社員(外国人社員)
という見事なピラミッド型の業務形態になり、日本人派遣社員は外国人労働者と競って仕事を維持するために、ますます劣悪な労働条件で働かざるを得なくなる。まさに、日本の労働現場は現代の地獄絵図と化す。業界内でも、
大企業下請け企業(第一次第二次第三次など)人材派遣会社
という従属関係が固定化されて、21世紀型帝国主義が確立されることになるのだ。その地獄の仕組みからどうやって抜け出すかは、本人次第だが、いったん派遣業務に就いてしまうと相当に困難だと思われるし、その方法もなかなか見つからない。現在のところ、各個人の奮闘に期待するしかないのが現状なのだ。





<参考リンク>

ドラゴンボールで学ぶ「ニート・フリーター問題」

(特に、「(2)孫一家に学ぶ就職氷河期問題」の部分)




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DATE: CATEGORY:社会問題
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/071130/wlf0711301339000-n1.htm


生活保護費引き下げ 厚労省

厚生労働省は30日、生活保護費のうち食費や光熱水費など基礎的な生活費となる生活扶助の基準を大幅に見直し、生活保護費全体の引き下げを決めた。具体的な引き下げ額は来年度予算編成の過程で詰める見込み。

昭和59年から続く算定方法を検証する専門家の検討会が同日、まとめた報告書によると、平成16年に行った全国消費実態調査と現在の基準額を比較したところ、収入が低い方から10%以内の低所得者世帯で夫婦子1人の場合だと約1600円、70歳以上の単身世帯だと約1万2000円、基準額が上回っていた。このため、検討会は基準額の引き下げが可能と指摘した。

<MSN産経ニュース2007.11.30より転載>


年々、生活保護の受給者が増加し、財政を圧迫している。
既に数年前から、各福祉事務所が審査を厳しくしたり、受給を却下するなどという設置が行ってきたが、遂に厚生省が生活保護費自体を引き下げる方針を打ち出したらしい。

しかし、私は思うに、生活保護費が財政を圧迫する原因は、受給者の増大よりもむしろ、現在の生活保護の仕組みに欠陥がある為ではないだろうか?
その欠陥を改正すれば、保護費を引き下げずとも、負担を減らせるはずである。
私は、その欠陥を改正する為に、ここに二つの提案をさせて頂きたい。




<第一の提案/生活保護を“無償”と“有償”の二種類に別けてはどうか?>

国際間で行われる政府開発援助には、有償支援と無償支援がある。
有償支援とは、途上国に、必要な資金を返済の負担にならない程度の低金利で貸し出す支援だ。
途上国は、この支援でインフラ整備を整えて経済を活性化させ、それによって得た利益の一部から、長期に分割して返済を行う。
一方、無償支援とは、ただ一方的に資金を与える事だ。途上国は、この金を返済する必要はない。

現在、日本で行われている生活保護は、この“無償支援”に等しい。
高齢者、働き手の無い家庭、労働不可能な重病の者が、“無償支援”を受けるのは当然だろう。
だが、まだ年齢が若く、失業や鬱病などの“一時的な弊害”によって働けない者に対してまで、なぜ“無償支援”する必要があるのだろうか?
生活保護にも、“無償支援”と“有償支援”の二種類あっても良いではないか。
そして、二種類設ける事で、これまで一方的だった支援をある程度回収できるようにすべきだろう。

もちろん、受給者が自立できても、その後の返済に負われて苦しい生活を強いられるようでは意味が無い。
ゆえに、“有償支援”に以下のような細かい配慮を設ける。

まず、“有償支援”は、四十歳以下で、失業や鬱病の為に“一時的に保護を必要としている者”のみを対象とする。
次に、受給者が自立をはたしても、最初の一年から三年間は様子見の期間とし、返済義務は負わせない。
そして、その一年から三年間の様子見期間を通して、元受給者を「不安定自立者」「一般自立者」「高自立者」「特別自立者」「婚姻による自立者」の五つに分類し、それに応じた義務を課す。

[不安定自立者]
定義)自立後、三年経過しても、収入が不安定だったり、低所得が続いた者。
処置)様子見期間を延長してやるか、返済義務を免除してやる。

[一般自立者]
定義)自立後、三年間の間に収入が安定した者で、さらにその安定状態が一年以上経過した者。
義務)受給した生活保護費のうち、一割だけ返済させる。

[高自立者]
定義)一般自立者の中でも、所得が一般人の平均を上回った者か、一般人の平均以上の資産を得た者。
義務)その所得や資産の高さに応じて、受給した生活費を二割から十割返済させる。

[特別自立者]
定義)自立後、一般人の平均所得の十倍の所得か資産を得た者。
義務)十割返済は当然として、利子も取る。さらに資産や所得の額に応じて、冥加金も出させる。
備考)三年間の様子見期間を経た後であっても、これは適用する。

[婚姻による自立者]
定義)収入が安定した配偶者と婚姻する事によって、自立できた者。
処置)配偶者の所得や資産に応じて「一般自立者」「高自立者」「特別自立者」に別け、義務を課す。
備考)ただし、これでは(配偶者が負担を嫌って)受給者が婚姻しづらい状態に陥ってしまう恐れがある為、婚姻後、出産するか五年以上離婚しなければ返済は免除とする。
(逆にいえば、生活保護を受けている未婚の女性に、早期の結婚をうながす為の処置でもある)

もちろん、自立した後に再び生活保護が必要な状態に陥れば、過去の負債は減免する。
このような“有償”の生活保護を制定し、今まで一方的だった生活保護をある程度は回収すべきなのだ。
それに、このような高額所得者になってしまえば全額返済の上に利子や冥加金も取られてしまうというリスクを設ければ、下手に不正受給を望む者も減る事だろう。




<第二の提案/支援は“生活費”だけでなく、“助言”と“指導”も与えるべき>

生活保護の受給者の増大を防ぐには、受給者の内、若く健康な者、一時的な失業者、軽度の障害者、回復の見込みのある精神患者などは、一刻も早く自立させねばならない。
福祉事務所も、そういった受給者には働くようにとうながし、はやく生活保護の受給を止めるようにと迫る事が多い。

だが、私は問う。
高卒以上の学歴と職歴があり、勤労意欲が旺盛で心身ともに健康な者は、当面の生活費を支援してやれば自分一人でも自立する事はできるだろう。
しかし、若く健康であっても、長期の失業生活の為に勤労意欲が萎えてしまった者、最終学歴が中卒以下の者、職歴が無い者(日本では、正社員雇用以外は職歴とは認められない)は、福祉事務所が生活保護を与えつつ「働け」と催促さえすれば、直ぐに就職して自立できるようになるだろうか?
精神を病んでいる者は、福祉事務所が生活保護を与えて「働け」と催促すれば、自分で良い医者を探し、自分で自主的に友人や生きる楽しみを見つけ、自分で病気を克服し、自分で仕事を見つけて自立できるのだろうか?
障害を負った為に、あるいは就労経験が無い為に働くことに自信が無い者は、福祉事務所が生活保護を与えて「働け」と催促すれば、自分で積極的に求職活動を始めるだろうか?

残念ながら人間は、保護を与えて催促さえすれば、自分で全て出来てしまうほど便利な生き物ではない。
大概の者は、保護を受ければ保護に甘んじ始め、より勤労意欲を失ってしまうものだ。
中には、生活保護費を浪費してしまい、保護を受けていながら生活が出来なくなってしまう者も少なくは無い。
そして、こういった生活保護に依存してしまった者から無理に受給資格を奪えば、自立するどころか路頭に迷ってしまい、犯罪に走るか、北九州市であった事件のように餓死という悲惨な結末を迎えてしまう事になる。
生活保護受給者に自立をうながしたくば、生活保護を与える各自治体は“生活費”だけではなく、自立に必要な“助言”と“指導”の支援もしてやるべきなのだ。
その“指導”とは、具体的にいうと以下のようなものだ。

まず、第一の指導は、福祉事務所が職安を兼ね、自ら仕事を斡旋・紹介してやる事だ。
学歴や職歴が無い者には、学歴も職歴も問わない仕事を。
障害者や病弱な者や就労経験が無い者(母子世帯の母親や引きこもり)など、働く事に不安を持つ者には、自宅で出来る内職や簡単なアルバイトを。
そういったハンディを背負った人々に適した仕事の情報を福祉事務所が常時確保し、紹介してやるべきだ。
その方が、一人で探させるよりも手っ取り早く、本人が自発的に行動するのを持つよりも効率が良い。

第二の指導は、生活保護者の意思の活性化と健全化を促進してやる事だ。
勤労意欲が萎え(なえ)仕事を斡旋しても進んで面接を受けたがらない者には、ボランティア活動に参加する事を義務付けるなり、カウンセリングを行うなり、簡易な日雇いの仕事を紹介してやるなりして、勤労意欲が湧くように指導してやるとよい。
萎れ(しおれ)た草木は、放置しておけば萎れる一方だ。萎れて枯れる前に、誰かが水を注いで肥やしを与え、弱った根を蘇らせてやらねばならない。
鬱病や精神病の者には、良い医者を紹介してやるなり、カウンセリングを行ってやるなり、同じ境遇(心の病が元で保護を受けている者)同士で交流を持たせてやるなりし、少しでも早く社会復帰できるように助力してやるべきだ。
心を病んだ者は放置しておけば引きこもりがちとなる。引きこもれば他人と接触する機会が失われ、孤立し、より精神状態を悪化させてしまう。逆に、ひきこもらぬ者は外でトラブルを度々起こし、より社会復帰困難な状態に陥ってしまう。
自ら這い上がる(はいあがる)事が困難な奈落へと滑り落ちる前に、“手助け”という名の命綱を一本結んでおいてやらねばならない。

第三の指導は、生活保護者の能力の活用だ。
アルバイトですら長続きせず、保護に甘んじるようなダメな人間でも、必ず才能の一つや二つは眠っているものだ。
それを見つけ出し、職に活かさせれば良い。
絵の才能があれば、イラストレーターの仕事を。文才があれば、コピーライターの仕事を。趣味を持っていれば、その趣味を活かせる仕事を。
どんな小さな才能でも良い。才能を見つけてやり、それを本人に活かさせ、自立できるように仕向けてやるべきだろう。
才能を見出せなければ、本人が習得できそうな資格を取るように助言・指導してやるのも良い。
石くれの下に眠り続ける小さな種は、放置しておけば石に蓋をされたまま歳月を浪費し、最後は腐るだけだ。だが、上の石を取り除き、周囲の土を少しばかりほぐしてやれば、自分で根を伸ばして発芽する事もできる。

第四の指導は、生活指導だ。
生活保護を与えても、浪費家であれば幾らあっても足りない。
中には、せっかく生活費を手に入れても、それをギャンブルにつぎ込み、数日の内に使いはたしてしまうバカな者もいる。
光熱費、食費、趣味に掛かる費用を上手に節約する術、必要なものを安く手に入れ、あるいは他のもので代用する術などを助言・指導してやるべきだ。
上手な節約方法を覚えさせれば、生活保護の一部を蓄える余裕もできる。蓄えが出来れば、本人の自立の為の助けにもなる。

受給者の自立をうながす為にも、以上の四通りの指導と助言を与えてやるべきだろう。
では、どういう形で、このような指導や助言を与えて上げるべきか?
方法は四つある。

一つは、定期的な講習会の開催だ。
身体障害者の為の講習会。就労経験が無い人たちの為の講習会。鬱病や自律神経失調症患者や心身症の人々の為の講習会。重度の精神病患者らの為の講習会(家族が代理で参加)。
など受給者の各境遇に応じた講習会を開いてやれば良い。
(講習会への参加は、受給者の義務とする)
講習会の目的は、専門家らによる講義・個別指導・カウンセリング・アドバイス・訓練であり、受給者の自立を助ける事が第一だが、もう一つ目的がある。
それは“同じ境遇の者たちが知り合える機会を与えてやる”という目的だ。同じ境遇の人とはイコール、もっとも共感できる相手であり、もっとも相談しやすい相手だ。
同じ境遇の者同士が知り合えるだけでも、互いの励ましにも手助けにもなる。
就労に自身が無い母子世帯の母親でも、同じ境遇の母親らと出会い、親しくなれば「一緒に働いてみませんか」という小さな一言から、勇気ある大きな一歩を踏み出す事だってできる。
また、鬱病、ヒキコモリなど、何かと孤立してしまいがちな人々が孤立によってさらに精神状態を悪化させる前に、友人を作る機会を与えてやる事もできる。

二つは、アドバイザーの養成と派遣だ。
受給者一人一人の家庭を訪問し、個別指導してやるべきだ。受給者が心の病気を患っている場合は、カウンセラーの役目もはたしてやると良い。

三つは、マニュアル本の作成と貸し出しだ。
受給者の数が多ければ、一つの自治体が一人や二人程度のアドバイザーを擁したくらいでは間に合わない。
かといってアドバイザーの人数を増やせばコストと時間が掛かってしまう。
役立つ情報を満載し、自立できた元受給者に取材してアイデア・体験談を記載したマニュアル本を作成すべきだ。
受給者全員に貸し出し、アドバイザーは、その中でも中々自立できない者や一刻も早く自立する必要がある者を優先的に訪問してやればよい。

四つは、メールやパンフを配布し、役立つ情報を常に配信してやる事だ。
マニュアル本を作成しても、受給者が膨大であれば発行数が増えコストが掛かってしまう。書物では、最新の情報を頻繁に更新する事は難しい。
携帯電話なりPCなりを持っている者には、メール配信を通じて本人に役立つ情報を配信してやれば良い。メール環境の無いものには、週に二、三回程度の割合で、役立つ情報を掲載したチラシを。
ただ、役立つ情報に触れる機会を与えてやっただけでも、少しは自立の助けになるだろう。



以上、二つの提案をここに記す。
一方的な支援。金を与えるだけの支援。これらは戒めるべきだろう。




ラブアゲイン



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